■転職先として外資系企業が人気の理由
看護師の転職先は病院などの医療機関が多いですが、
異なる職種の企業、特に外資系企業も看護師の転職先として人気があります。
外資系企業とは海外資本が運営している企業です。
外資系企業が看護師の転職先として選ばれる理由は、
病院とは違い夜勤がないこと、勤務体制や待遇、評価制度などがあります。
多くの病院では、他の看護師以上に仕事をこなしているのに給与はほとんど変わらず、
評価・待遇に対する不満を抱えている看護師も多いと思います。
外資系企業では、女性でも実力があって実績を上げれば正当に評価され、
日本の企業と比較して昇進・昇給する可能性も高いと言われています。
外資系企業では女性の取締役や管理職も多く、
海外勤務のチャンスもあり、海外勤務を希望する人や、自分の可能性を追求し、
実力を存分に発揮したいと思う看護師にはおすすめの職場と言えるでしょう。
■外資系企業の求人例
外資系企業の求人は人気がありますが、
看護師のスキルのみを活かした仕事の求人は、それほど多くありません。
企業内の保健室などは、常にかなり高い競争倍率となります。
看護師を求めている外資系企業として、製薬メーカーや医療機器メーカーなどがありますが、
看護師としてではなく、看護師の経験を活かして会社員として働く求人は、
比較的多く、転職の幅が広がります。
例えば、東京都にある外資系医療機器メーカーの募集要項を見てみると、
勤務時間は日勤のみ9:00~17:30、休日は土日祝日で、
他に夏季休暇や年末年始休暇があります。
給与は年収450万円~675万円、賞与は年2回支給されます。
仕事内容は医療機器販売促進を行う営業職です。
また、さいたま市にある外資系製薬会社では、
勤務時間が9:00~18:00、休日は土日祝日の完全週休2日制で、
年間休日数は120日以上あります。
給与が年俸制で380万円~500万円、昇給は年1回です。
■外資系企業では英語力も必要
外資系企業の場合給与が日本の企業に比べて高く、
年収は夜勤勤務のある看護師よりも上回っているケースも多々あります。
勤務は日勤だけで完全週休2日制、
有給休暇もとりやすく給与は病棟勤務の看護師よりも高いため、
転職先として外資系企業に人気が集まります。
ただ、外資系企業では英語能力を応募条件としているところもあり、
例えばTOEIC225~470レベルの最低のコミュニケーション力でも可とするところもあれば、
TOEIC750以上のレベル(英検1級程度)の英語力を求めているところもあります。
外資系企業でも英語力を問わないところもありますが、
英語でメールが来たりマニュアルやシステムが英語の場合が多く、
入職時には英語力が問われない場合も、
ある程度の英語力は身につけておいたほうが良いと思います。
■外資系企業に転職するデメリットも理解しておこう!
・減給や解雇のリスクが高い
外資系企業、特にアメリカ系企業では、
徹底した成果主義・能力主義で人事評価を行うことが多いため、
企業の求める成果を残すことができないと、す
ぐに減給や解雇の対象になってしまうというリスクがあります。
また、インセンティブボーナス制度がある会社の場合、
人事評価によってボーナスが減ってしまったりもするため、
ある程度の水準で仕事を遂行できる能力も必要とされます。
解雇されるケースは滅多にないとは思いますが、
転職後すぐに解雇されたり、会社の雰囲気に馴染めずにすぐに辞めてしまっては、
看護師としてのキャリアに傷がついてしまい、次の転職が難しくなってしまいますので、
外資系企業への転職はよく考えてからするようにしましょう。
・会社の雰囲気が合わない人も
日本の病院では、看護師同士で雑談をしたり飲みに行ったりすることも多いですが、
外資系企業では、プライベートは関わりを持たないというところもあります。
また自分の仕事は責任をもって行う代わりに、
他人の仕事は無関係など、ドライな一面もあります。
外資系企業に勤務する人は、より良い条件の良いとことに転職を繰り返したり、
反対に挫折して辞める人も多くいますので、
和気あいあいとした雰囲気を好む人には辛い職場かもしれません。
ただ、結局は日本人が働いているので日本の企業とさほど変わらない職場もありますし、
良い意味でドライなほうが日本企業よりも働きやすいと感じる人もいると思います。
ひとくちに外資系企業と言っても様々な会社がありますので、
実際の雰囲気を聞いてみて転職するのが良いでしょう。