看護師人口が増える中、人気を集めているのが「資格の取得」です。
・キャリアアップができる
・活躍の場所が広がる
・転職に役立つ
など、資格を取ることでさまざまなメリットが得られます。
中でも注目されているのが「保健師」資格。
保健師の仕事は、ワークライフバランスが取りやすいのがメリット。働きやすい仕事を求める人から注目されています。
そんな「保健師」ですが、聞いたことはあっても、どんな仕事をしているかよく知らない方も多いのでは?
そこで今回は、人気資格「保健師」について
①資格取得までの道のり
②保健師になるメリット
③仕事内容
をご紹介します!
①「保健師」資格取得までの道のり
保健師は国家資格です。
国家試験を受けるためにも
・看護師国家試験に合格済みであること
・保健師学校(1年課程の専門学校や短大)に通い、カリキュラムを修了していること
という条件があります。
試験は年1回実施。
合格率は8割~9割程度と、比較的易しい試験です。
現在、全国で約5万9000人が保健師として活躍しています(平成26年時点、看護協会調べ)。
②保健師になるメリット
保健師最大のメリットは、ワークライフバランスが取りやすいことです。
・残業が少なく、定時で帰れる
・基本的に土日祝日休みなので、友人や恋人と予定が合わせやすい
・ほとんどの職場で、有給休暇が取りやすい
など、ほかの看護職の現場とは比べ物にならないくらい、働きやすいのが特徴です。
小さなお子さんを持つママさん看護師や、プライベートも充実させたい方から人気を集めています。
さらに、保健師のおよそ6割は、公務員として働くことになります。
安定している仕事、という面でもメリットが大きいです。
③保健師の仕事内容とは?
病気・ケガをした人の治療に携わるのが看護師ですが、保健師は病気・ケガの予防に関わる仕事です。
保健師が働く職場は大きく分けて4つ。
・市区町村の保健センターなど、公的機関
・病院
・企業
・学校
です。
それぞれの職場によって、職業の呼び名や、仕事内容が異なります。
では、それぞれの仕事内容について見ていきましょう。
《1.行政保健師》
保健師の約6割がこれにあたります。
自治体に所属し、保健所や保健センターなどの公的機関で「公務員」として働きます。
公務員なので安定した職業であること、土日祝休みでプライベートが充実できることが魅力です。
行政保健師は
・市区町村保健師
・都道府県保健師
の2つに分かれます。
「市区町村保健師」は、市区町村が管轄する公的機関で働きます。
・乳幼児や妊婦さんへの健診、訪問指導
・健診や保健指導、予防接種のサポート
・難病や精神障害を抱える方の、日常生活のサポート
・介護保険関連や、高齢者のサポート
など、老若男女問わず、幅広い年齢層の地域住民と、身近に接する仕事です。
個人の相談に乗ることも多いので、
・せまいコミュニティで、病気の予防や健康増進に寄与したい人
・深いコミュニケーションをとるのが好きな人
には向いています。
一方「都道府県保健師」は、都道府県が管轄する保健所が職場です。
「市区町村保健師」がせまいコミュニティでの仕事だったのに対し、「都道府県保健師」は広範囲の人と関わる仕事です。
「市区町村保健師」への研修を行ったり、疫学や統計に関する仕事をしたりします。
ほかにも
・難病や障害を抱える方、結核やエイズ患者などへの保健サービス
・インフルエンザなど、感染症に関する危機管理
・保険医療システムの整備
なども行います。
《2.病院保健師》
行政保健師に次いで、二番目に従事者が多い仕事です。
職場は、総合病院やクリニック、訪問看護ステーションなどの病院施設。
・健診センターでは、健康診断を通じて病気予防のアドバイス
・小児科では、予防接種のサポートやアドバイス
・訪問看護では、患者さんを訪問しての健康指導
・精神科では、精神疾患をもつ患者さんの生活指導
など、所属する診療科目により、いろいろな仕事を行います。
また、院内感染を未然に防ぐための「第一次予防」として、予防のプロである保健師の活躍に期待する病院も増えています。
全てに通じて言えるのは、病院を訪れる患者さんに対し“病気を防ぐためのサポート/アドバイス”を行う仕事だということです。
《3.産業保健師》
企業内の医務室や、健康保険組合で働く保健師です。
社員数1,000人以上の大企業のうち、約9割で保健師が在籍しています。
大企業での勤務のため、ほかの保健士と比べて高収入が期待できるというメリットがあります。
さらに、ほかの職場と比べて、体力的・精神的負担がかからない場合が多い、というのも魅力です。
企業で働く社員に対する保険指導が主な仕事であり、
・定期健康診断の実施
・メタボリックシンドロームなど、生活習慣病に関するケア
・うつ病など、メンタルヘルスに関するケア
などを行います。
特に「メンタルヘルス」は企業内では重視される傾向にあり、保健師の需要も高まっています。
《4.学校保健師》
専門学校や大学、一部の私立小中高校で働く保健師です。
「保健室の先生」とは違うので注意してください。
(保健室の先生は、病気予防のアドバイスだけでなく、保健教育も行うため、養護教諭免許がないとなれません)
学校保健師は、学校の生徒や職員に対して仕事します。
病気予防のアドバイスや、けがや急病の際の応急処置を行うのが主な仕事です。
さらに、救急用品の点検なども業務に含まれます。
思春期の生徒と関わるので、柔軟にコミュニケーションを取る力が求められますが、子供の成長を近くで見守れる、やりがいの大きい仕事です。