看護師が内視鏡室で働く場合、他科と比べてどんな違いがあるのでしょうか。
内視鏡室への異動や転職を考えた時、
看護師の業務内容や給料について、きちんと確認しておきましょう。
そこで今回は、内視鏡室での業務内容や給与、必要スキルについて情報をまとめました。
目次
【内視鏡室看護師の業務内容】
総合病院や大学病院など、大規模な病院の場合は、
内視鏡検査を専門とする「内視鏡室」が設置されている場合があります。
また、内視鏡専門のクリニックも、わずかながら存在します。
しかし、大半の病院やクリニックでは、
通常の診療に加えて内視鏡検査を行っているところがほとんどです。
内視鏡室で勤務しようと考えたときには
(1)内視鏡室が設置されている、大規模病院(総合病院や大学病院)を探す
(2)内視鏡専門クリニックを探す
(3)内視鏡件数が多い病院やクリニックを探す
という3択になるでしょう。
ただし(1)の場合、内視鏡室で働きたいと思っても別部署に配属されたり、
部署異動の可能性もあるので注意が必要です。
また、内視鏡技師の資格を取得しておくと転職に有利です。
大半の医療機関では資格手当も支給されるので、可能なら是非取得しておくべきでしょう。
内視鏡室での看護師の主な業務内容は、内視鏡検査の準備と介助です。
点滴や麻酔など、前処置を行うこともあります。
■内視鏡室勤務の看護師の年収相場
内視鏡室では、緊急ではない限り検査は予約制でほぼ予定通りに終了します。
そのため残業はなく、給料は基本給のみのことが多いです。
前項でもお伝えしましたが、年収はボーナスで差が出ますので、
賞与が確実に出る国立系や公立系の医療機関は、内視鏡室の看護師も年収が多くなります。
全体的には350万円~400万円が相場です。
残業なしの外来勤務看護師の平均的な額と言えるでしょう。
しかし、内視鏡室で働きたいと思って総合病院、大学病院に転職しても、
内視鏡室に配属されない可能性もありますし、正職員は定期的に部署異動があることが大半です。
【内視鏡室で働くのメリット/デメリット】
◆内視鏡室で働くメリット
(1)日勤のみで、ほとんど残業無し
日中の検査のみのことが多いので、夜勤がないのが魅力。
また、緊急でない限り検査は予約制で、ほぼ予定通りに終了するので、
残業になることもそうそうありません。
育児中のママさん看護師など、
夜勤を避けたい人・プライベートの時間も大事にしたい人にはオススメの職場です。
(2)急患の対応がないので、体力的・精神的に楽
緊急の検査というのは稀です。
急患の対応がなく、予約された検査を予定通り行うのが常なので、
体力的・精神的に楽な職場だというのが魅力です。
(3)最先端の知識を身につけることができる
内視鏡は、機器の進歩や開発が活発な分野です。
常に最新の技術とふれあい、知識を身につけることができるので、
実践だけでなく学びも伴わせつつ働くことができます。
(4)内視鏡により治る疾患もあるから、やりがいがある
内視鏡を使っての検査・治療で完治できる疾患も、近年どんどん増えています。
自分が日々触れている「内視鏡」で、
患者さんの治療の役に立てているという実感が持てて、やりがいにも繋がります。
◆内視鏡室で働くデメリット
(1)残業・夜勤が無い分、手当がもらえない
内視鏡室の看護師の月収平均は、だいたい20万円~25万円が相場。
これは、他の科の外来看護師と変わらない金額です。
しかし、他の科の看護師と違うところは、残業や夜勤が無い分手当がもらえないということ。
他の科の看護師の場合、月の手当てとして平均10万円程度を得ています。
内視鏡室看護師は、この手当が全くないこともあり、
他の科の看護師と比べると、収入に差が出ることもあるのです。
ただし、総合病院などの大規模病院の場合、賞与支給がされるケースもあります。
特に、国立系や公立系の医療機関は賞与がほぼ確実に支給されます。
また、内視鏡検査専門クリニックでも、検査件数の多さや自由診療などの影響で、
月収30万円前後が目指せるケースもあります。
収入面が気になる方は、職場選びの際にこういった機関を選ぶと良いでしょう。
(2)ルーティンワークの仕事が多い
日々の検査など、ルーティンワークの仕事も多くなりがち。
看護師としてのスキル低下が心配になるかもしれません。
【③内視鏡室で看護師に求められるスキル】
(1)コミュニケーション能力
初めて内視鏡検査をする方や、診断結果に不安がある方など、
緊張やストレスを抱える患者さんと接する機会も多いです。
患者さんに落ち着いた気持ちで検査を受けてもらえるよう、看護師の適切な声掛けが求められます。
さらに、患者さんのみならず、ご家族に対してのケアも重要。
患者さん・ご家族両方の安心につながるような、
親身なコミュニケーションをする能力が必要です。
(2)手際のよい業務進行
患者さんの待ち時間が増えると、余計な不安や緊張を高めてしまいます。
また、予定通りに内視鏡検査が行われなければ、手術にも遅れが生じるなど、
関連部署にも影響が出てしまいます。
そのため、手際よくテキパキと業務を進行する力が求められます。
≪内視鏡室で働く看護師に向いている人のまとめ≫
内視鏡室で働きたい場合は、常にスキルアップしたい気持ちとそれに合わせて知識、
技術を習得しようと努力を惜しまないことが最低限必要になります。
慣れないうちは、手際よく準備や介助、終了後の洗浄や消毒などが行えなくても、
一度覚えてしまえばルーチンワークですし数をこなしていくうちにスムーズにできるようになります。
段取りの良く仕事を進める能力やコミュニケーションスキルの向上は、
内視鏡で勤務してからでも十分に身に付けられますので、特に身構える必要はないと思います。
内視鏡室や内視鏡専門の病院で働くと残業や夜勤はないケースがほとんどです。
他の部署に比べて時間的に余裕がありますので、
新しい知識や技術習得する時間を十分に取ることができる職場だと思います。
看護業務を実践だけではなく、
最先端の知識も取り入れながら、
日々知的刺激のある環境で働きたいと考える看護師にとっては魅力的な職場のひとつです。