看護師が転職をする理由には、スキルアップを目的とするものから、
職場の待遇や人間関係の改善など、様々な理由があります。
実際に転職してみて、成功するケースもあれば、
転職したものの、状況は改善されず、失敗だったと感じられるケースもあります。
ここでは、実際に転職の経験がある現役看護師の声を参考に、
転職に失敗してしまった原因について検証していきたいと思います。
目次
■事前の情報収集が足りていなかったケース
・看護師Aさんのケース
看護師として働き始めてから、2度の転職を経験したAさん。
初めての職場は規模の大きい総合病院でした。
しかし病棟には若い看護師が多く、分からないことを聞いても教えてもらえなかったり、
看護師以外の雑務までこなさなければならない職場でした。
更に定時であがることはできず、基本的に7時まではサービス残業を行っていました。
社会人としての経験が浅く、考えが甘かった分もありますが、
妊娠を申し出た際には妊娠したことを非難されるような職場だったため、
人間関係や職場の環境に疲れ果て、結果出産を機に退職しました。
大病院で酷い体験をしていたので、次の勤務先は特別養護老人ホームにしました。
しかし、他の看護師の手を抜いた仕事や、患者への非人道的な対応に嫌気が差し、結局その老人ホームも退職しました。
3度目の正直で、ようやく自分らしく働ける職場に出会うことができました。
今度の病院は中規模の病院で、ママ看護師の募集枠に応募しました。
職場にはすでにママ看護師として働く看護師も数多く、
スタッフや病院側もママ看護師に協力的で、非常に働きやすい環境です。
看護部長をはじめ、他の看護師もみんな人柄の良いので、楽しく働いています。
【Aさんが転職に失敗してしまった理由】
それではAさんが転職に失敗してしまった理由はなんでしょうか?
Aさんは、最初の大病院での体験にこりごりだったため、
あえて真逆の老人ホームという職場を選ぶことで転職を行いました。
しかし、環境が正反対であるからこそ、求められるスキルや仕事内容は大きく異なってきます。
自分は働く上で何を優先したいのか、仕事において譲れない条件の書き出しがAさんの場合は少なかったようです。
Aさんは一緒に働く人の人柄や仕事ぶりを気にするタイプの人であるのに、
その点に注目しなかったのが、Aさんが転職に失敗してしまった理由でしょう。
最終的に、1回目の転職での失敗を活かし、
2回目の転職では、職場の人間関係や、他の看護師の働きぶりに着目することで転職を成功させることが出来ました。
「情報収集不足」は転職失敗の要因
転職を成功させるためには、事前の情報収集は欠かせません。
勤務体制や、休暇、給与、福利厚生などといった、制度面に関しては、
求人票にも掲載されているので、目に留まりやすいでしょう。
しかし、実際には求人票に公開されていない情報についても、把握しておくことが非常に重要です。
例えば、同僚となるであろう実際に勤務している看護師の人柄や、職場の人間関係、
仕事内容や求められるスキルといった情報については、自分に最適の職場を探す上で欠かせない条件です。
転職で失敗しないためには、これらの求人票未公開の情報について、リサーチしておく必要があります。
■基本的な確認事項が確認できていない
実際に転職を体験した看護師に、転職での失敗について聞いてみると、
基本的な確認事項の確認が出来ていなかった、という声が非常に多いです。
基本的な確認事項は、たとえば次のような項目です。
・福利厚生面
・ボーナス
・残業の有無
・有給の消化率
・交通費などの補助や手当て
・昇給
以上の項目を確認せずに転職した場合、失敗につながる可能性が高いです。
特に提示された条件については、口頭やメールで提示されたものだけではなく、
きちんと書面の契約書としてもらっておくことで、
入職後に提示されていた条件と待遇が異なる、というトラブルが起こった際にも、対処が可能です。
■転職理由がネガティブな場合
転職理由がネガティブな場合、転職活動は失敗しやすい傾向にあります。
人間関係や給与・待遇面への不満といったような、ネガティブな理由だけで退職を行うのは危険です。
今の職場から逃げ出したいという想いだけで、次の転職先をよく調べずに、勢いだけで決めてしまって後から後悔するケースもあります。
また次の職場に行っても、嫌なことは必ずついてまわります。
あまりネガティブな考えに囚われずに、転職活動もポジティブな気持ちで行うことで、成功しやすくなります。
もし転職理由がネガティブなものしか見当たらない場合は、
今一度自分を振り返って、転職についてよく考えてみると良いでしょう。