循環器科を希望している、循環器科に配属された看護師向けに、循環器科の特徴や、
循環器での看護師の役割、循環器科での年収などを解説しています。
目次
■循環器科について
【循環器科の特徴】
循環器科では主に血管の病気や心臓循環器疾患である心筋梗塞、狭心症、心不全、心臓弁膜症などの治療を行います。
生活習慣病の合併症であることも多いため、高血圧や糖尿病などとも深く関わりのある診療科目です。
臓循環器の疾患は、生命維持に重要な役割を担っているため、生死に関わる重症の患者さんも多く、特に中高年の患者さんが多いです。
循環器科には内科と外科があります。
薬物療法やカテーテルなどの治療の場合は循環器内科で、
開胸手術など大きな手術を伴う場合は循環器外科や心臓血管外科で治療を行うことが一般的ですが、
内科と外科を分けていない病院もあります。
【循環器科で看護師に求められるスキル】
循環器科だからといって、仕事内容が他の診療科目と大きく異なることはありません。
しかし、循環器科の疾患は生命にかかわる疾患が多いため患者さんの急変が多い病棟になります。
患者さんの状況を判断して、迅速に検査の実施や蘇生処置が行えなければなりません。
循環器科は看護師としての知識や経験だけではなく、専門的な知識や技術が必要とされる職場です。
特に循環器外科病棟では、術後呼吸器やIABPの管理など専門的な医療機器を操作する医師や臨床工学士の補佐をしなければならないケースが多く、
異常時には医師や臨床工学士に報告し対処が必要となるため、一定レベルの機器の知識も必要です。
【循環器科にもいろいろある】
循環器科はスキルアップを考えている看護師にとって、オペ室、脳外科と並んで人気がある診療科のひとつです。
専門的な治療を行っている最先端の医療技術を学べる医療機関を希望する方も大勢います。
循環器と言っても検査入院をメインに行っているところや24時間体制で救急の受け入れを行っているところ、
心臓血管手術の件数が多いところ、術後のリハビリに力を入れているところなど様々な病院がありますので、自分に合った病院を探しましょう。
■循環器科での看護師の業務内容
循環器科の看護師の業務内容は、
一般的な看護師の仕事と同じようにに外来では診察の補助や準備・後片付け、患者さんへの対応が主な仕事です。
循環器内科病棟では健康管理や経過観察、体位交換などのケア、
医師の指示による点滴・採血、食事や排せつの介助、薬の管理、検査前後のケアなどの業務があります。
心臓疾患の重症者や術後の患者さんを対象に集中治療を行うCCUでの業務もあります。
CCUでは、高度な医療機器がたくさんありますので、それぞれ専門的な技術が必要となります。
また、心電図や心エコー、DCなど循環器科ならではの医療機器があり、
医師や専門のスタッフとともに、それらを使った検査や処置の補助業務を担当することもあります。
循環器科は専門用語や略語が多く、勤務する医療機関によって状況を伝える際の報告の仕方が違っていたり、
他の科とは違った詳細な申し送りや迅速な対応が求められるため慣れるまでに時間がかかるかるかもしれません。
術前や術後も管理が必要で、術前は緊急搬送された重症な患者さんの場合は、
点滴や医療機器の管理、急変時に備えて観察が必要になりますし、
予定された入院で手術に臨まれる患者さんへは、
不安の軽減などの精神的ケアや術後の合併症予防のための禁煙指導や術前の呼吸訓練などを行います。
術後はドレーンからの出血量や血圧などのバイタルチェックの他、専門的な医療機器の管理も行います。
循環器の疾患は生活習慣病から合併しているものも多く、治療や生活上の指導を行う患者指導も大切な看護業務のひとつです。
術式や検査内容については医師が家族に説明しますが、日常生活で気を付けてほしい点などについては看護師が説明します。
最近は循環器専門ナースの資格取得を目指す人も多くなっています。
この資格は認定資格ですが、呼吸療法認定士とともに、今もっとも注目されている資格です。
専門看護師や認定看護師と比べると取得しやすい資格なので、今のうちに資格を取得しておくといいかもしれません。
■循環器科で働く看護師の収入
緊急の患者も多く非常に忙しい、夜勤や残業の多い職場としても知られている循環器科で勤務する看護師の平均年収は、
一般の病棟勤務の看護師と同等か若干多い450万円~550万円程と言われています。
残業が多い分、他の科よりも給与は少し多くなりますが、
循環器科だからといって他の診療科目と比較して特に収入が多いということはありません。
■循環器科の看護師求人選びのコツ
循環器科は専門性の高い科ですので、以下のような特徴があります。
これらの傾向を踏まえ、自分に合っているかどうかを確認しておく必要があります。
求人内容のチェックポイントも紹介しますので、これらのポイントは必ず確認しておきましょう。
【循環器科の傾向】
・患者回転率が早くとても忙しい
・入退院が多い
・緊急入院が多い
・救急対応が多く、覚えることがたくさんある
・循環器科を希望する看護師はとても多い
・希望者は学習意欲の高い人が多い
・心臓の術後管理は専門性が高くスキルがあがる
【求人内容のここをチェック】
・入院ベッド数とベッドの稼働率
・看護師配置(看護基準)
・スタッフの年齢や経験年数
・カテーテルを用いた検査や治療の件数
・心臓手術の件数
循環器科は医療機関によって受け入れ可能な患者さんの病状も様々です。
事前にしっかりと情報収集しておくと良いでしょう。
さて、循環器科ではどのような看護師が求められているのでしょうか。
【循環器科に求められる人材】
・心電図が読める
・看護師としてのスキルが高い
・循環器病棟の経験がある
循環器科はとても忙しい科にもかかわらず、転職希望者が多い点が特徴です。
専門的な技術を身につけて看護師としてのスキルアップを図りたいと考えている人が多いので循環器科に勤務している方は学習意欲が高いです。
そのため、スキルが高く、経験もある方が求められる傾向にあるようです。
循環器病棟での経験がない場合は、循環器の専門病院への転職は難しい面がありますから、
総合病院の循環器科や脳神経外科や手術室などで全身管理の経験を積んでおくことをおすすめします。